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「次世代経営人材育成研修のかんどころ」
第6回(最終回):最終報告に向けた取組みを通じて、ご自身の役割を自覚する
シニア・コンサルタント   横山 隆史

はじめに~

 この執筆をしているのは、2021年6月下旬現在です。この時期になると、「今年も始まったなぁ」 という気持ちになります。

 次世代経営人材育成研修の多くは長期の取り組みで、おおよそ6~9か月にわたります。3月決算が多いことから、計画・予算策定や人事異動等を考えると、最終報告は12~2月になることが多く、そのため研修のスタートはおのずと5~7月となります。

 今年度も、数社で次世代経営人材育成研修がスタートしました。もう複数年度リピートを頂いている企業もあれば、今回が初めて、という企業もあります。いずれにしても、受講者にとっては初めて、ですから研修開始時は戦々恐々としています。この緊張感がたまらなくいいのです。

 前回は、次世代経営人材育成研修で、アウトプットのレベルを上げていくために、「現場に行く、聴く、見る」 「新しいことを “やる”」 「形にしてみる」 等といった取り組みをご紹介しました。いずれも、アウトプットのレベルを上げるためのテクニック的なものですが、相当な効果は出ています。さらに、次世代経営人材としての自覚を促すためのJMACとしての姿勢・スタンスを、最終回ではご紹介します。

① “1on1” で話し合う

 次世代経営人材育成研修では、必ずと言っていいほど、研修の集大成としてのアウトプットが求められます。アウトプットの形式としては、「個人発表」 「グループ発表」 の2つに大別されますが、(肌感覚ですが)半分以上は 「個人発表」 の形をとっています。顧客が迷われている場合は、 「個人発表」 をお勧めしています。次世代経営人材育成という研修趣旨から考えても、やはり最終的には個人としての素養を引き上げることが目的となるからです。

 一方、個人で最終のアウトプットに向けた準備を進めるとなると、面倒な問題が生じます。(当然ですが)研修の多くは集合形式をとり、講師が全体に向けて画一的に研修を進めるのが一般的です。ですが、個人で発表するとなると、事業・製品・サービス、部署・業務内容、抱えている課題・テーマ、進捗状況、スキル・経験…すべてが異なります。そのような個々人の課題・悩み・不安・要望等に個々に応えつつ、引き上げていかなければ研修の意味がなくなってしまいます。研修の企画・推進を担う人事担当の方々の悩みについて、この点がかなりの割合を占めるのでは、と感じています。

 ですが、第5回でもご紹介しましたが、我々JMACはそもそもコンサルティングファームであり、研修の専門企業ではありません。顧客企業の課題に向き合い、その解決を生業としております。そのため、個々人の課題・悩み・不安・要望などに応えることは、逆に得意にしている領域なのです。ここに、JMACが行う次世代経営人材育成研修の最大の特徴があると言っていいでしょう。
 研修では、座学形式だけではなく、“1on1” のスタイルで、受講者個々人とじっくり話し合う時間を設けます。受講者数は10名前後と少数であることが多いので、一人当たり約30~40分程度は1日で対応することができます。30分程度、個々人と話し合うことができれば、相当に理解・納得が深まることから、非常に有効であると考えております。これを研修期間中に2~3回繰り返せば、かなりのレベルアップを図ることができます。

 また、画一的な運用もしておりません。進捗が芳しくない等、しっかり時間をかける必要がある場合は、一人当たり2~3時間かけることも少なくありません。さらに、それでも芳しくない場合は “補講” も行っています。JMACは 「実践」 を信条としているので、所期の成果が得られるまでは、じっくりお付き合いします。メール等で側面的にやり取りすることはもちろん、場合によっては別途時間を設けてお会いすることもあります。今年度は、群馬の方にまでお伺いし、半日かけてしっかりと話し合う、という場面もありました。

② プレゼンテーションの練習を繰り返す

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これも特色の一つだと思いますが、最終発表に向けてはプレゼンテーションの練習を入念に繰り返します。研修全体を通じて、平均でも一人当たり5~10回前後は何らかの形でプレゼンテーションの練習をしています。これに加えて、各自が自部署やご家庭等で準備・練習しているので、全体では相当な回数になると思われます。最近は、スマートフォンで簡単に動画撮影できるので、毎回必ず動画に残してチェックを入れるようにしています。

 ここまでプレゼンテーションの練習を繰り返すのは、はっきりとした理由があります。まず一つ目は、“伝える” ことの大切さを感じて欲しいからです。次世代経営人材育成研修に選抜される人材ですから、ある程度の時間をかければ、相応のアウトプットは出てきます。一方で、そのアウトプットをきちんと伝えることができるか、これは別問題のようです。すばらしいアウトプットであっても、その魅力の半分も伝えられないケースは頻繁に見受けられます。受講者の方々は次世代の経営を担う候補者ですから、ご自身の思いをしっかりと伝え、周囲の理解・納得を得ることは必須のスキルです。
 
 さらに、プレゼンテーションの練習を繰り返していくと、不思議なことに自己暗示にかかるようです。つまり、自分でその言葉を発していると、ますますその言葉をご自身が強く信じていくことになるようです。まさに “言霊” と言うことができるでしょう。ご自身の強い自信につながるだけでなく、次世代経営人材としての役割を自覚することにもつながるのです。
 
 最終回が近づくにつれて、この自覚をもった受講者の割合がジワジワと多くなっていきます。そうなると、お互いのプレゼンテーションに対して、非常に鋭い “ツッコミ” も出てくるようになり、まさにお互いが刺激しあう“双発” の状態になります。厳しいものの、このやり取りが最終的には深いつながりとなって、研修後の連携・連帯につながっていきます。かけがえのない人間関係ができる、と言ってよいと思います。

 次世代経営人材育成研修に関して、色々と述べさせて頂きましたが、如何だったでしょうか?
 これからも、さらに相互刺激の場になるよう努めたいと思いますし、何よりも私自身の楽しみや喜びがにじみ出る場にしていきたいと考えています。

⇒関連研修 「次世代経営人材育成研修」の詳細はこちらから

>> 横山 隆史 のコラム 前号(第5回)はこちらから

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「次世代経営人材育成研修のかんどころ_オリジナル版(約16分)

次世代経営人材育成研修のかんどころ_ダイジェスト版(約2分)
from 日本能率協会コンサルティング on Vimeo.

コンサルタントプロフィール

経営戦略事業部 シニア・コンサルタント
横山 隆史(よこやま たかし)

横山さん

政府系金融機関で、営業・審査業務を経験し、当社入社。
前職での経験を活かしてアカウンティング・ファイナンス等の分野で強みを発揮しながら、経営戦略、マーケティング等へ領域を広げてきた。
新規事業検討、ビジョン・中期経営計画策定、ビジネスモデル構築、企業/事業再生等といった分野で実績がある。
近年においては、新たなビジネスモデルの概念「プロフィット・デザイン」の普及に取り組むと同時に、次世代の経営人材育成支援に取り組んでいる。

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