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  3. Withコロナ/Afterコロナ時代の「新しい学びのスタイル」とは第3回: 『with/after COVID-19時代の「新しい研修・学習スタイル」提供に向けた実態調査』からみた人材育成の課題(その2)チーフ・コンサルタント  小河原 光司

Withコロナ/Afterコロナ時代の「新しい学びのスタイル」とは
第3回: 『with/after COVID-19時代の「新しい研修・学習スタイル」提供に向けた実態調査』からみた人材育成の課題(その2)

チーフ・コンサルタント  小河原 光司

■人財育成に求められているもの

 現在、企業の人材育成に携わる部門の皆さまは、来期の人材育成にむけた企画を立案されている方も多いかと思います。先日も人材育成ご担当の方とディスカッションする機会がありましたが、来期に向けては、

・一過性の教育ではなく、継続的な人材育成とリンクさせること
・継続性の担保においては、現場での実践学習(OJT)とリンクさせること
・トレーニング内容が、現場での実践学習(OJT)を通じて、事業成果に貢献すること
・リアルの集合トレーニングとオンラインでのリモートトレーニング、どちらが良いという二者択一ではなく、双方の特性を踏まえ、活用すること

 が重点テーマであるとの話をされていました。
 
 昨今、人材育成領域においては、「一過性ではない継続性」、「研修トレーニングによる知識学習と現場での実践学習の連動」、「現場での実践学習を通じた事業成果の創出」、が今後、より一層求められているものと推察しました。

 本稿では、前回に引き続き、「新しい研修・学習スタイル」提供に向けた実態調査結果からみた人材育成の課題と方向性について、特に、研修トレーニングによる「知識学習」と「実践学習(OJT)連動」を実現してゆくための3つの留意点に関して、その詳細内容と課題解決に向けたポイントをご説明していきたいと思います。

■研修トレーニングにおける「知識学習」と「実践学習(OJT)連動」に向けた3つの鍵

①育成する側である現場管理者が、受講生(部下)が何を学んでいるのか、その内容を知り、理解すること


 これまでは、研修トレーニングを受講している部下が研修で何を学んできたのか、ということを上長である現場管理者が知らない(興味がない)という状況が、が多くの現場での実態ではないかと思います。
リモート学習という環境が整備された昨今においては、この種の問題に対して有効な解決策が適用できます。
 
 それは、上長である現場管理者にも受講生と同様の学習動画を視聴してもらう、という解決策です。学習動画コンテンツは、いつでもどこでも視聴可能であるため、上長にも視聴してもらうことにより、トレーニングに参加している部下が何を学んでいるのか、を理解してもらうことができ、部下に何を指導すればよいのか、その論点を上司が整理することにもつながります。
 
 また、上長である現場管理者も動画視聴を通じて、再度、学習することができ、上司の人材育成にも資することになります。
 但し、注意しなければならないのは、上長である現場管理者も繁忙であるため、すべての部下の学習内容を理解する(動画コンテンツを視聴する)ことは現実的に不可能である、という点です。

 そのため、実践学習(OJT)連動においては、「どの受講生対して重点育成をするのか」という『選抜育成の方向性』とリンクさせることが必要不可欠です。「タレントマネジメント」と連動した育成対象の重点化することにより、現場管理者による育成対象の重点化とその実施が結び付くことになります。

 また、動画コンテンツに関しても、隙間時間を有効活用できるよう、1つの動画視聴時間を短くするマイクロラーニングの考え方を適用し、視聴し易い環境を整備することも大切です。


②「現場管理者が抱える現場課題」と「人材育成トレーニングの実践学習すべき課題」をリンクさせること


 なぜ、現業の現場管理者と人材育成担当者の間に軋轢が生じるのでしょうか。それは、研修トレーニングを受けた学習内容が、現業の事業活動成果に直結するものと考えていないからです。現場の声としてよく聞く話として、「お勉強と実務は違う」という発言がありますが、お勉強、すなわち知識学習とは、本来的に実務に役立て、事業成果を生む出すために学ぶものです。研修で学習した知識を実務=実践学習につなげてゆくことが重要なのであり、この両者間に繋がりがないことこそが根本的な問題点なのです。
 
 それでは、どうすれば知識学習と実践学習がつながるのでしょうか。それは、人材育成トレーニングで学習した内容を実践するに際しては、その実践テーマを現場管理者が抱える現場課題の解決テーマとすることに他なりません。しかしながら、ただ現場管理者につなげてください、と依頼してもつながることは、まずないため、繋げざるを得ない仕組みにすることが成立条件となります。


③上記の活動が推進するような仕掛けが駆動するプロセスを設計し、そのプロセスを仕組み化すること


 繰り返しになりますが、上記①、②は、人材育成部門から現場管理者に単純に依頼すれば、成果が上がるプロセスが回るわけでは決してありません。良い意味で、人材育成プロセスを仕組み化し、現場を回さざるを得ない仕掛けをいかに作り上げるのか、がポイントとなります。
 
 一例になりますが、筆者がご支援させて頂いているA社では、受講生は研修トレーニングを通じ、学習した知識を適用する実践学習の推進テーマを現場の上長と話し合いで決定することにしています。そして、現場の課題解決にも貢献するテーマの推進に関して、その進捗とアドバイスを月次で行い、半期に1回、成果共有会を開催し、確実な現場改革を実現する仕組みを構築しています。
 
 成果共有会に関しては、会社の上級管理職、役員層も参加する重要な報告会として位置付けられています。
 ここでも繰り返しになりますが、A社のような活動も全ての社員に提供することは現実には難しい側面があり、育成すべき人材を選抜し、選抜された人材に対して育成資源の重点配分をしてゆくことも併せて検討することが求められています。

 筆者は、全社員に対して行う育成は、勿論、必要であり、その必要性は否定しておりません。一方で、重点的に育成する対象を選定し、選抜して育成するプログラムは、全社員向けや階層別の育成とは層別、区分して、別の育成体系として構築することが、人材育成の有効性を高める点においては、重要な考え方になるのではないかと思います。

 このような考え方は賛否両論あることは承知しておりますが、人材育成を担っている方にとっては、一考の余地があるかと思います。

■「知識学習」と「実践学習(OJT)」連動に向けた3つの鍵

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 これまでご説明してきたように、これからの人材育成においては、管理者層のリーダーシップ発揮による、 OJTとリンクした組織的・日常的・継続的な育成が求められており、その実現に向けては、

①育成する側である現場管理者が、受講生(部下)が何を学んでいるのか、その内容を知り、理解すること
②「現場管理者が抱える現場課題」と「人材育成トレーニングの実践学習すべき課題」をリンクさせること
③上記の活動が推進するような仕掛けが駆動するプロセスを設計し、そのプロセスを仕組み化すること

 ということが成立条件であるといえます。

■まずは、3つの鍵の視点から研修トレーニングの実態を再点検しよう

 まずは、3つの鍵の視点より、既存の研修・トレーニングの実施内容を再確認することで、現場の成果に直結し、現場が喜ぶ研修トレーニングを企画・実施してゆくための糸口が見えてくるのではないかと思います。
 
 すぐに仕組み化することは、当然難しいかと思いますが、問題を認識し、実現に向けた課題設定ができない限り、改善、改革への道は開けません。まずは、正しい目的設定と、現状との差異を把握し、正しい問題設定をすることから始めて見て下さい。千里の道も一歩からです。研修トレーニングの企画のブラッシュアップ、研修トレーニング体系のブラッシュアップを段階的に実現してゆきましょう。

 弊社JMACでは、研修トレーニングに関わる企画・実施に関わる様々なサービスを提供しております。ご興味のある方、お悩みのある方は、無料相談会も随時開催しておりますので、ご連絡を頂ければと思います。
 本稿が人材育成に携わる皆さまの一助になれば幸いです。

 本稿にて触れております「with/after COVID-19時代の「新しい研修・学習スタイル」提供に向けた実態調査」に興味がある方は、調査結果に関する動画セミナーを公開しておりますので、下記URLをクリックし、ご視聴頂ければと思います。

⇒ 「with/after COVID-19時代の「新しい研修・学習スタイル」提供に向けた実態調査」セミナー動画の視聴はこちらから

⇒ お知らせ:『with/after COVID-19時代の「新しい研修・学習スタイル」提供に向けた実態調査』結果の動画セミナー公開延長について

>> 小河原 光司 のコラム 前号(第2回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

ラーニングコンサルティング事業本部
チーフ・コンサルタント
小河原 光司

小河原さん

経営者目線の戦略推進と現場の制約条件双方から見た「実現可能な戦略の実行」に対するコンサルティングと成果創出型の実践研修を支援している。
上場小売業において、商品本部長兼事業開発室長として事業構造改革を主導し収益改革を実現した経験を持つ。  
現在、事業開発室長としてリモートコンサルティング・研修の開発と普及を推進中。
ラーニングマネジメントシステム構築を主導する第一人者でもある。
中小企業診断士

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