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MOT:技術を核にした事業化展開
第5回:事業化のネタつくり
~事業領域(ドメイン)と対象製品の検討~
シニア・コンサルタント 細矢泰弘

■はじめに

 本コラムでは、著者 細矢 泰弘が40年経験した新商品・新規事業のコンサルテイング事例から原理・原則的なポイント、基本的な考え方・進め方を計12回に渡って連載します。
 今回は「事業化のネタつくり ~事業領域(ドメイン)と対象製品の検討~」についてお話しします。

1.事業領域(ドメイン)の設定

 新規事業のご依頼でいつも多いのが、新規事業の方向性、事業領域のどこをやるかというご質問です。戦略の基本からは自社の強みを活かし、機会に出るが基本の基本です。自社の強みとは、差別化の源泉となる技術・ものづくり、商流・人材リソースを活かす方向です。機会とは、一般にいう成長市場領域で、環境・インフラ市場、健康・医療・介護市場、グローバル100兆円という水ビジネス、自動車・車載電池市場、スマートフォン市場等があります。調査プロセスを下図に示します。
 事業領域の取り方は、自社事業をコアドメインに据えて、少し広めにとるのが原則です。「旋盤事業」より「工作機械」あるいは「製造装置」事業のように定義するのが一般的です。成長製品については、シンクタンク、経済産業省等の調査レポートから対象製品をキーワード的に抽出します。JMACでは、コンサルティング依頼の多い事業領域に関しては約1万ほどのアイテム製品に関して、マップ化してノウハウとして持っていています。

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2.成長製品のマップ化

 ナノテク・医療を事業領域としたマップ事例を下図に示します。横軸は、売り上げ規模、縦軸は、成長率を表します。成長率は2011年をベースに2020年と比較し、どの程度の伸びかを比率で示しています。キーワードはナノテク応用素材・機器デバイス・健康・医療製品で検索しています。右上の象限が売り上げ規模1兆円以上、成長率2倍以上を示しています。

 最近の傾向として、太枠で囲んだ在宅・予防医療・ナノテク医療関連領域の依頼件数が増えてきています。医療製品は前回も述べましたが、参入が困難な市場で、開発リードタイム(認可含む)が通常の2倍の7~8年かかるのが普通でした。
 第3回、4回の「強み技術」と「顧客価値」とこのマップ製品を連想して、差別化できるものが見つかれば幸いです。

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■執筆書籍・論文のご案内

『後発で勝つための研究開発・知財戦略の立て方、進め方』(技術情報協会 共著)
『技術の事業化 新商品・新事業のための技術活用テクニック』(アマゾン 共著)
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『未来予測による研究開発テーマ創出の仕方』(技術情報協会 共著)
『IEEE国際会議 PICKMET'14 Customer Value Method』他

>> 「第4回:事業化のネタつくり~技術と顧客価値を考える~」はこちら

コンサルタントプロフィール

R&Dコンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
早稲田大学大学院非常勤講師
全日本能率連盟MC(マスターマネジメントコンサルタント)審査委員
細矢 泰弘

細谷さん

技術を核にした事業化を専門とし200以上の事業化をてがけてきた。リサーチ・提案だけでなく、研究開発からマーケテイング、コスト開発、生産技術まで一貫して支援し、キャッシュを回収するまでの"創って、作って、売る"実践を重視することである。技術特性をわかりやすい"顧客価値ことば"に変換して経営者と技術者の橋渡しと 技術者の事業家育成をライフワークにしている

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