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「R&D組織・チームを変えていくためのインターナル・コンサルタント養成のヒント」
第4回:IC養成でのチーム支援を通したICとチームの変革ドラマ

コンサルタント 仁木 恵理

■はじめに

 第3回コラムでは、基礎編の内容とアウトプットの特徴についてお話ししました。
 第4回は、実践編の内容と、チーム支援のなかでどのようにICとチームが変化、成長していったかといった変革ドラマをご紹介します。

1.実践編の実施内容

 実践編では、ICは担当するチームを決め、チームリーダーやマネージャーといったキーマンへのインタビューを通して、チームの理解を深めます。そして、インタビュー内容をもとにチームの現状の問題、今後の課題を考察し、取り組み計画案を検討していきます。

 そして、作成した計画案をチームのキーマンと合意した後、計画書に基づいてICがチームの取り組みを支援していきます。JMACコンサルタントは、計画書作成への助言や支援の場への陪席を通して、ICを指導します。実践編を通して、ICは今後、チーム支援をする際の拠り所となる気づきや学びを得ることができます。

 最後は、IC養成の集大成である認定審査です。計画に基づいてチームを支援した結果、チームや個人にどんな変化があったのか、様々な観点から成果を考察します。また、そこからのICとしての気づきや課題をまとめて発表し、数名のJMACコンサルタントが審査し、合否を決めます。晴れて合格となったICには、IC認定証が交付されます。

2.IC養成を通したICとチームの変革ドラマ

 ここからは、IC養成を通してICやチームがどのように変化、成長していったのか、といった内容を、事例を用いてご紹介します。
 事例の概要は第2回コラムを参照してください。


(1)ICとチームの関係性の変化 ~評論家からチームの味方へ~

①チームとの最初の関係構築の難しさ
 ICがチーム支援をするにあたって、まず難しさを感じるのが、チームとの関係性構築です。選抜されたICたちは、各組織の上位マネージャーと兼任していたため、最初はこれまでの経験をもとに、マネージャーとしての目線や価値観でしかチームに関わることができませんでした。

 そのため、チームのリーダーからは、”ICと言っても、自分より経験も役職も上の人物に気軽に相談しづらい” もしくは ”マネージャーがもう一人増えただけ”といった印象を持たれていました。また、チームのマネージャーからも、”よそのマネージャーがうちのチームのことを良く知らずに…”といった印象を持たれてしまい、活動初期は、チームメンバーも、”ICって何してくれる人なの?”と身構えられて、なかなか心を開いてもらえない時期が続きました。

 これまで自分の組織で、自身が強力なリーダーシップを発揮して、課題解決、成果創出をリードしてきた経験豊富なICたちは、これまでの経験が通用しないことに頭を悩ませました。「正しく課題提起しても、受け取ってもらえない」「自分が議論をリードしたり、指示したりすればその場はうまく進むが、それはチームの自律性には繋がらない」といったように、自身のICとしての貢献の仕方に悩み、模索していました。


②ICがこれまでの成功体験や価値観を手放すために
 こういった悩みは、多くのICが最初にぶつかる壁です。IC養成では一貫して、これまでの経験や価値観を一旦脇に置き、ICとしての新たな価値観や貢献の仕方を見出していくためのトレーニングに重きを置いています。しかし、口で言うのは簡単ですが、誰しもこれまで上手くいっていた経験や勝ちパターンを手放すことは恐く、勇気がいることです。

 ここでJMACコンサルタントが大切にしているのは、ICを孤独にさせないということです。本事例でも、常にJMACコンサルタントが味方として伴走し、時に優しく時に厳しく、ICが変わろうとすることに対して励まし続けました。変わることに対する恐れをとりのぞき、勇気を称え続けました。

 加えて、IC同士の切磋琢磨の関係性づくりにも注力しました。IC同士がチーム支援の難しさや苦しさを共有しつつ、変わろうとする姿に対して、「メンバーへの声かけが変わってきた!」「課題の投げかけ方が良くなってきた!」と互いを称え合える関係性になれるよう、意図的に場を仕掛けていきました。ICは互いの変化から刺激を受け、やがて、変わることに前向きになっていきました。

 更に、IC自身のチームへの関わり方が少し変わり始めると、チームリーダーがICの話を前向きに聞いてくれるようになったり、メンバーが悩みを相談に来てくれるようになったりと、チームにも変化が見られるようになりました。そこですかさず、JMACコンサルタントが、ICの変化がチームとの関係性に影響を与えていることをICにポジティブにフィードバックしていきました。

 ICはこれまでチームを変えることに必死になってきましたが、”実は最初にすべきことは、自分自身が変わることだ”ということや、大事なのは”自分は評論家ではなく、常にチームを理解、尊重し、味方でいることだ”ということに気づくことができました。

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③ICのチームへの新たな貢献の仕方

 チームリーダーとの信頼関係構築に成功したICは、リーダーがチームミーティングの運営に不安や迷いを抱えていることを知りました。また、同時にICがミーティング中に正論を直球で投げかけることは、チームが自律的に成長していくために必ずしも良いことではないことに気づきました。

 そこで、ICはチームミーティング中の介入ではなく、ミーティングの前後にリーダーと作戦会議と振り返りの時間を持つことにしました。リーダーが考えている次のチームミーティングの「目的、ゴール、アジェンダ、進めるうえでの不安、懸念、工夫点」などを聞き出し、どうすれば次のミーティングをリーダーが思い描いているように進めることができるか、といった作戦を一緒に考えました。また、ミーティング後の振り返りでは、うまくいったこと、うまくいかなかったことの両面から次につながる教訓を見出していきました。

 リーダーに寄り添いながらチームを良くしていく工夫を一緒に考える時間を持ったことで、リーダーが自ら考え、動き、振り返って次に活かしていく行動を促すことに繋がったのです。


④チームリーダーの自信がチームの成果創出に影響

 自信を得たリーダーは、自分がICにしてもらったように、チームメンバーと一緒にミーティングを振り返って、改善点や本音を吐き出してもらって、次につなげていく振り返りの場を持つことの重要性に気づくことができました。最初にICの正論では動かなかったチームが、自分たちで議論の高度化に向けて、自律的に変化し始めたのです。この変化は、後にこのチームにとって重要な原体験となりました。自分たちでやってみて、振り返って、次に活かすサイクルを、チームミーティングに留まらず、様々な局面で自分たちの成長サイクルの型として活用できるようになりました。

 最初はミーティングの変革という小さな変化でしたが、自律的成長サイクルの型を獲得したことで、このチームはチームマネジメント的にもビジネス的にも成果を創出することができ、リーダーは社内で活躍した人物として高く評価されたのです。


⑤評論家からチームの味方への、自己変革

 ICはこのようなチームとの相互作用を経て、変革の原体験を得ていきます。変革を推進する苦しさや恐さと、チームが成長した時のうれしさ、達成感といった変革の醍醐味を肌で感じながら、自己変革を遂げていくのです。

 座学だけでは身につかない教訓を自らの経験から掴み取ったICは、それを拠り所としながら、また新たな変革ドラマをつくっていくことでしょう。

 ここまでは、ICとチームの関係性の変化といった観点から、変革ドラマを紹介しました。いかがでしたか。引き続き、第5回も様々な観点から、ICとチームの変革ドラマをお届けする予定です。

>> 関連する研修「技術KI見える化とワイガヤ基礎研修」

>> 仁木 恵理 のコラム 前号(第3回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

コンサルタント
仁木 恵理(にき えり)

仁木さん

2010年にJMAC入社以来、主にR&D部門の組織変革や技術KI活動、チームやプロジェクトのマネジメント力強化、企画提案力強化を中心にコンサルティング経験を積む。
最近は、"変革し続けられる組織文化の醸成"を目的としたインターナル・コンサルタントの養成に力を入れている。
コミュニケーション、ファシリテーション、ダイバーシティといったテーマで新人から管理職まで幅広い研修実績がある。

臨床心理士というバックグラウンドを活かして、ひとりひとりと向き合い、多様性を尊重した適切な関わりやフィードバックを行う。また、フィードバックによって、人の自己効力感を高め、「わたしならできる!」と一歩を踏み出すことを促していく活動スタイルを大切にしている。

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