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新入社員研修オンライン化の実践ポイント:第2回

チーフ・コンサルタント  丹羽 哲夫 

■新入社員研修の目的

 第一回でも触れましたが新入社員研修のオンライン化は手段であり、目的ではありません。改めて整理すると新入社員研修の目的は下記の4つがあげられます。

 ①自社の理解を深める
 ②業務に必要な知識やスキルの習得
 ③同期の仲間づくり
 ④学生気分の払拭

 オンラインで新入社員研修を実施する場合、上記の目的を実現するためには集合研修での実施時とは違う工夫が必要となります。

■目的別のオンライン化のポイント

①自社の理解を深める
 自社への理解を深めることで価値観や前提の共有、自社や組織への帰属意識の醸成を図ります。主なプログラムとしては自社の理念や歴史を知るプログラム、自社の事業や部門の業務について知るプログラムが該当します。また、自社固有の社内手続きやシステムに関してのインプットも前提の共有を行うプログラムとして必要です。

【講義だけでなく手元でも閲覧できるようにする】
 新入社員が早期退職してしまう理由の一つに「入社前にイメージしていた仕事とのギャップ」があります。オンラインで在宅からの研修が続くと、就職した自分の会社のイメージは中々具体化されません。オンライン講義で情報提供するだけでなく、空き時間にサッと目を通せるビジュアル社史など手元でも閲覧できるようにすると効果的です。また、動画など複数の形式で情報を提供することも効果的です。

【eラーニング化しいつでも閲覧できるようにする】
 社内手続きやシステムは実際に何度か使用してみないと使い方を習得できません。毎年同じ説明が行われる項目については後から復習出来るようにeラーニング化してしまうと効果的です。マニュアルなどを整備し、まとめておくことで受講者自らが「まず自分で探す、調べてみる」というNew Normal時代の働き方の下地を作ることにも寄与します。


②業務に必要な知識やスキルの習得
 新入社員が配属後、スムーズに業務へ入っていけるように基礎的な知識やスキルを理解・習得を図ります。配属部門に関わらず共通して必要なプログラムとしては“コミュニケーション”に関する内容(ビジネスマナー、メールの書き方、報連相のやり方など)、“ビジネススキル”に関する内容(タイムマネジメント、論理思考、文書作成、パソコンスキルなど)、“会社のしくみ”に関する内容(会社法、財務など)があげられます。職種別の内容としては営業部門であれば製品やサービスの理解、製造部門であれば装置や原料(材料)についてなど、専門的な内容が該当します。

【BOAをデザインする】
 BOA(Before/On/After)は弊社が提唱する「受講日だけでなく事前学習や事後課題を含め包括的に検討する」というプログラム推進の考え方です。講義をオンラインに置き換えて終わりではなく、知識やスキル習得の前後で何を設計するかを検討することが大切です。

【脱落者フォローの整備】
 受講者の通信環境によっては頻繁に通信が途切れる、復帰に時間がかかることが起こりえます。受講者が脱落した場合、どのように対処すればいいか整備しておく必要があります。電話やスマートフォンのチャットから連絡やフォローが出来るようにしておく、手元のテキストとスマートフォンからでも参加できるようにしておくなどが対策としてあげられます。人事が全てのトラブルに対応するのではなく、受講者同士でも助け合えるようにチャットルームを作っておくのも効果的です。

【無理に全てをオンライン化しない】
 グループディスカッションはツールの習熟度が高まればオンラインでも十分に対応可能です。しかし、ゲームを活用した演習や体を動かす演習はオンラインで十分に効果を引き出せません。設計段階で何を大事にするかを議論し、その上でオンライン化するか否かを検討することが大切です。


③同期の仲間づくり
 組織への帰属意識醸成や早期離職の間接的な引き止めとして同期同士のコミュニティづくりも新入社員研修の目的としてあげられます。集合研修時代のプログラムとしては合同オリエンテーションや懇親会が該当します。

【意図的に場を設定する】
 集合研修であれば休憩時間や1日のプログラム終了後に交流が自然発生していました。しかし、オンライン研修ではちょっとした交流は自然発生しません。意図的に場を設定する必要があります。

【余白時間を設ける】
 意図的な場を設定する一つのやり方が「余白時間を設ける」です。研修前や研修後もオンライン会議の場を残しておき、自由に雑談できる場として開放しておく方法です。口火を切って話始める人がいると盛り上がるようです。この時、講師や人事のメンバーがいると監視されている印象を与え、まったく盛り上がらないため新入社員以外は退室することが必須です。また、自主的な場とし、参加を強制しないことも場づくりのポイントです。


④学生気分の払拭
 新入社員に対し、責任感や企業の一員である自覚を持ってもらうことも目的としてあげられます。従来は人事や講師担当者が集合研修の場で目を光らせることで対応していました。しかし、オンラインでは受講者が参加しているか、真面目に受講しているかが把握できないという悩ましさがあります。

【過度に監視をしない】
 常時カメラをONにさせ、参加している様子を監視するのは効果的ではありません。通信が重くなるだけでなく、「見られている」というストレスがWeb会議疲れを引き起こしてしまいます。表情すら読み取りづらい小さな“窓”で監視をするのではなく、“きちんと受講しなければ!”という動機づけを工夫すべきです。

【アウトプットを設定する】
 動機づけの工夫の一つがアウトプットを設定することです。事後にテストが設定されている、講義を聞いておかないと苦戦する課題があるなどアウトプットが設定されているとわざわざ監視をしなくても受講者は真剣に参加します。

次回は「アウトプットを設定する」というポイントについて紹介します。

⇒ 「新入・若手社員研修」の詳細はこちら
⇒ 「ビジネス基礎トレーニング」の詳細はこちら

>> 丹羽 哲夫 のコラム 前号(第1回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
丹羽 哲夫(にわ てつお)

チーフ・コンサルタント 丹羽さん

分子生物学の世界から「研究・開発の生産性」に興味を持ち、JMACに入社

研究・開発部門の知的生産性向上やマネジメント革新に関するコンサルティングを中心に、 幅広い業種のクライアントを支援している。

ロジカルシンキング研修やプレゼンテーション研修、 プロジェクトマネジメント研修など様々なテーマで幅広い業種のクライアントを支援している。

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