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「R&D組織・チームを変えていくためのインターナル・コンサルタント養成のヒント」
第2回:IC(インターナル・コンサルタント)養成の全体像と適用事例

コンサルタント 仁木 恵理

■はじめに

 第1回コラムでは、IC養成の必要性や、目指す姿、IC候補者選定のポイントについてお話ししました。第2回は、IC養成の全体像と適用事例についてお話しをします。

1.IC養成のプログラム全体像

(1)変革の取り組みとIC養成プログラムの関係性
 
 IC養成プログラムは、いわゆるOff-JTのように座学だけでICに必要な講座を学ぶだけでなく、学んだことをJMACコンサルタントと一緒に即実践する「生の」変革の取り組みがセットであることが必須です。変革の取り組みがエンジンだとすると、エンジンを回し続ける機関としてのICがいて、はじめてエンジンがかかり、変革が前に進み始めるということになります。
 
 例えば、【図1】のように、技術KIのような変革の取り組みをチーム単位で実施し、並行してIC養成プログラムを実施します。もちろん技術KIの支援の主体は我々JMACコンサルタントですが、ICも支援担当チームを決めて、一緒にチームの取り組みを支援していきます。その際には、なるべく自身の権限や影響の小さいチームを担当できるよう配慮が必要です。

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(2)変革の取り組みとIC養成プログラムをセットで進めるメリット

 IC養成プログラムと「生の」変革の取り組みをセットで進めるメリットは以下の4つです。

◆座学で学んだことを、変革の現場で即実践し、実態を学べる
 単なる知識や机上の空論のケーススタディを読み解くだけではありません。学んだことを自社のチームへ適用し、うまくいったり、うまくいかなかったり、両方経験することで、生々しい実践のポイントを自ら掴みとることができます。

◆チーム支援の悩みや課題について、タイムリーにIC同士で相談しあえる
 チームを支援していくと、チームや個人との関わり方や課題に対する打ち手に関して、迷いや戸惑いがうまれることがあります。
 「こんな対応したけど良かったのだろうか?」「こんな時どうしたらいいんだろう?」といった悩みや相談事が次から次へと出てきます。
 ICはチームを預かる責任感から、得てして、孤独に陥りがちです。そうならないために、IC養成を通じて、IC同士の協力関係や切磋琢磨の関係構築も同時に行います。ICの知恵を集めてチームを支援していく流れをつくっていきます。

◆社内変革推進のよき原体験を得ることができる
 チーム支援の主体はJMACコンサルタントであるため、チームの変化や成果創出については、成果が出ることが保証されています。
 そのため、ICがJMACコンサルタントと一緒に議論しながらチームの成果創出を支援することで、疑似的にICとしての最初の原体験を得ることができます。
 これが、IC自身にとって自信と拠り所となります。
 また、1年かけてチームや個人の成長に関わり、一緒に悩んだり、苦しんだり、喜んだりすることで、「変革って大変だけど、面白いし、やりがいがある!」といった、変革の醍醐味を味わうことができます。

◆IC自身が、自己変革に向けた一歩を踏み出すことができる
 第1回コラムでも述べましたが、ICの役割を担う人は、これまでの役職での成功体験や価値観を一旦脇に置き、ICという役割としての貢献の仕方や新しい価値観を獲得していく必要があります。

 IC養成のなかでは、ICとしての自己変革課題に気づき、チーム支援のなかで自己変革のためのアクションを試してみて、それを振り返ることで、徐々に自己を変革していきます。とは言っても、自己変革はそれほど容易なことではありません。

 IC養成と生の変革の取り組みがセットで実施されることで、ICはチームとの関わりのなかで、自己が変わらなければならない現実を突き付けられることがあります。また、JMACコンサルタントや他のICからの促しによって気づく場合もあります。

 逆に、ICがすこし変わることで、チームによい影響が出て、IC自身が変わることに対して動機づくということもあります。
 このように、JMACコンサルタントや他のICの関わり、チームとの相互作用のなかで、様々な葛藤を経て、徐々に変わり始めることができるというのが実状です。

2.技術KIとIC養成をセットで実施した場合の事例

ここでは、基本的な支援プログラム例を某化学系自動車関連メーカーの事例でご紹介します。

(1)導入の背景

 導入の背景は以下の通りです。

・顧客である自動車会社の次世代機種に製品が搭載され続けるためには、
 ビジネスパートナーという立ち位置を築いていく必要がある
・顧客のビジネスのやり方や思想を理解し、
 顧客から要求された技術水準を確実にクリアする必要がある
・競合との厳しい競争に勝てなければ、事業の規模縮小や撤退を余儀なくされる状況である
・ビジネスの拡大により、人材の多様化、能力のばらつきが生まれ、
 今までの強いリーダーシップだけでは競合に勝てなくなってきているのが現状である

(2)変革の取り組みの必要性

 このような背景から、以下の目的で変革の取り組みを早急に行う必要性があるとトップが判断されました。
 そこで、JMACコンサルタントが主体となって支援する変革の取り組みとして、技術KIを導入することになりました。
 技術KIは、「生産性」と「創造性」を高め、「組織風土の活性化」を実現するという弊社のプログラムです。
 JMACコンサルタントが1年間通して、対象となるチームを支援していくコンサルティングプログラムです。


◆目的:
・技術KI手法の導入により、これまでの強力なリーダーシップによる課題解決ではなく、
 チームが主体となり、技術課題を発掘し、解決のために知恵を絞れるようになる
・厳しい顧客要求に応えるために、仕事の進め方や開発プロセスの変革をチームが
 自律的に提案、実践できるようになる
・目まぐるしく変化する事業環境や顧客要求に対応するために、一過性の変革ではなく、
 変革し続けることができる組織風土を醸成する

 このような目的で、厳しい競争を強いられている複数のチームで取り組みをスタートさせたのです。
 取り組み1年目は、チームが実践を通じて、変革の基本的な考え方や手法を学び、2年目からはチームが自走して変革を継続していけるようになることが理想です。
 また、モデルチームの成功事例をもって、2年目以降は、他のチームに変革を横展開し、組織全体を変えていく、といった全体構想をもっています。

(3)変革人材としてのICの価値

 しかし、日々の開発業務をこなしながら、チームが自律的に変革を継続することは容易なことではありません。
 

 ◆目的:
 ・一旦、変化したように見えても、元に戻ろうとする慣性がチームに働き、
  元通りになってしまう
 ・変革した現状に満足してしまい、次の変革すべきタイミングに気づかず、
  変革の波に乗り遅れてしまう
 ・チームの人の入れ替わりによって、変革の意味合いが薄れてしまい、
  取り組みが形骸化してしまう
 


 本事例のように、目まぐるしく変化する事業環境や顧客要求への対応に追われているような会社であれば、なおさらです。
 そこで、変革継続の壁を打破するために、変革を推進する人材としてICを養成することが、トップの肝入りの施策として動き出しました。

 第1回コラムで触れたIC選抜のポイントを踏まえつつ、本事例の背景、目的を考慮した上で以下のような人物をICとして選抜しました。

 

 ・事業環境や顧客要求の変化を第一線でいち早く捉え、
  組織のビジョンや次のビジネスを見据えたシナリオを描きながら、
  チームの変革に寄り添える人物
 ・部門を超えて、人を巻き込んだり、働きかけたりすることを躊躇なくできる人物
 ・チームだけでは解決、判断できない課題に気づき、
  スピーディに他のマネージャーと連携して手を打っていける人物
 


 こういった要件を満たす人物として、第一線のマネージャーたちをICとして選抜し、JMACコンサルタントと共にチームを支援していきました。
 

 第2回コラムはここまでになります。
 次回以降は、IC養成プログラムの中身について、ご紹介していく予定です。

>> 関連する研修「技術KI見える化とワイガヤ基礎研修」

>> 仁木 恵理 のコラム 前号(第1回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

コンサルタント
仁木 恵理(にき えり)

仁木さん

2010年にJMAC入社以来、主にR&D部門の組織変革や技術KI活動、チームやプロジェクトのマネジメント力強化、企画提案力強化を中心にコンサルティング経験を積む。
最近は、"変革し続けられる組織文化の醸成"を目的としたインターナル・コンサルタントの養成に力を入れている。
コミュニケーション、ファシリテーション、ダイバーシティといったテーマで新人から管理職まで幅広い研修実績がある。

臨床心理士というバックグラウンドを活かして、ひとりひとりと向き合い、多様性を尊重した適切な関わりやフィードバックを行う。また、フィードバックによって、人の自己効力感を高め、「わたしならできる!」と一歩を踏み出すことを促していく活動スタイルを大切にしている。

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