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新入社員研修オンライン化の実践ポイント:第5回

チーフ・コンサルタント  丹羽 哲夫 

■はじめに

本コラムでは新入社員研修をオンラインで実施する際のポイントをシリーズで紹介していきます。
前回は研修実施中での「脱落防止と復帰支援」のポイントについて紹介しました。
今回は研修実施後のフォローについて紹介します。

■受講者の変化を促すにはフォローの場が必要


 研修の目的は「教えること」ではなく「受講者の変化を促すこと」です。しかし、新入社員研修では限られた期間で様々なことを伝える必要があるため、「教えること」に意識が傾きがちです。特にオンラインではリアルの場と比べ、双方向のコミュニケーションがとりづらいため、その傾向が強く出てしまうのではないでしょうか。受講者が学んだことを活かし、変化につなげていけるようにするにはオンラインであってもフォローが必要です。では、ここからフォローのポイントについて見ていきたいと思います。

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①様々なスパンで実践の振り返りを設定する

 学んだ内容を咀嚼し、定着化させるためには振り返りの場を持つことが大切です。
 新入社員研修で受講者は様々な新しい情報をインプットされます。受講者がインプットした情報に溺れないようにするには、意図的に振り返る機会を設定することが必要です。 振り返りには「自分の言葉で整理、アウトプットすることで理解を深める」「変化や課題を自己認識する」という狙いがあります。
 弊社では"理解を深める"という狙いに対して、週報を用いた振り返りの場を設定しています。一週間での学びや気づきを振り返り、週報としてアウトプットすることで思考の整理を促しています。(週報での振り返りのフレームワークについては本コラムの第三回"アウトプットを設計する"で触れています。そちらもご覧ください)。
 "変化や課題を自己認識する"という狙いに対しては月次発表の場を設定しています。月次発表では一か月のスパンで学んだ内容や実践した取り組みを振り返ることで自身の成長(変化)や課題を自己認識することを促しています。自身の成長や変化は短期的なスパンでは中々自己認識しづらいものです。月次など振り返りの期間を空けた場を設定すると効果が高まります。
 弊社では月次での振り返りと一年間を振り返る卒業発表の場を設けています。(弊社の新人は最初の一年間はアカデミーという部門に所属します。アカデミーを卒業し、各部門に本配属されるため卒業発表会と呼ばれています)。こうした振り返りの場は特殊なワークを行うわけではないため、オンラインでも十分効果的な場を設定することができます。

②様々な視点(人)からフィードバックを行う

 2つ目のポイントは振り返りに対し「様々な立場や視点からフィードバックを行う」ということです。振り返りによって学習者が内省するだけでなく、フィードバックを行うことで適切な課題設定や取り組みへの後押しを行うことも定着のフォローでは大切です。学びに対してのアドバイスは仮に内容としては同じだったとしても、言葉が変わると腹落ちの度合いが変わるものです。フィードバックは立場や視点が異なる複数人から行うと効果が高まります。

 弊社で実践している週報では「案件の中で指導を行っている育成担当者」「アカデミー運営員(各部門から選抜され、フィードバックや育成プログラムの検討を行う)」の2名からフィードバックを行っています。「あの場面ではこういう風に考えるとよい」といった具体的なアドバイスを育成担当者が行い、他の場面でも活用できるような教訓的なアドバイスをアカデミー担当者が担うといった緩やかな役割分担がなされています。

 月次の振り返りの場では様々な部門のアカデミー運営委員が参加し、異なるバックボーンから発表者の気づきや成長に対してフィードバックを行っています。月次の振り返りは発表(プレゼン)形式で行われ、「研修で学んだことが放蕩に理解できているか」「実践できているか」を問う質問が飛び交うため、緊張感のある場になっています。また、異なる案件に参画している同期の振り返り発表を聞くことで、同期同士が互いに刺激を与えあう切磋琢磨する場としても機能しています。

③気軽に助け合える場を作る

 研修で学んだ時は理解したつもりになっても、業務の中で実践してみると中々上手くいかないものです。このやってみた際に上手く適用できなかった、実践できなかったという失敗体験が定着を阻害します。初期の失敗をそのままにせず、成功体験につなげることで定着を促していくには"実践的な生々しい悩みを共有し解決する場"があると効果的です。具体的には同期同士のチャットが初期段階の失敗を共有し、解決へつなげていくフォローの場として有効です。同期同士のチャットは集合研修時では「脱落防止の仕掛け」としても機能するため、用意することをお勧めします。
 集合研修後では「議事録のまとめ方ってどうやってる?」など "今さら聞けないこと"、"いざやろうとして手が止まってしまったこと"を素朴に相談できる場として機能します。本来は一緒に仕事に取り組む先輩に相談できるといいのですが、中には遠慮してしまう新人もいます。先輩とのコミュニケーション(ツール)を充実させるだけでなく、気軽に相談し目先の問題解決ができる場を用意することが「初期段階で成功体験を持てるようにする」には大切です。前回のコラムでも触れましたが、人事や育成担当者など新入社員同期以外の第三者がこの場(チャット)にいると効果が激減してしまいます。関与するとしても"同期チャット運用のガイドラインを提示する"程度に留めておくべきです。

 今回は新入社員研修の定着・フォローに着眼し、弊社が実践しているオンラインでも実践できる取り組みを紹介しました。次回は「登壇者への事前アナウンス事項」という観点でポイントを紹介します。

⇒ 「新入・若手社員研修」の詳細はこちら
⇒ 「ビジネス基礎トレーニング」の詳細はこちら

>> 丹羽 哲夫 のコラム 前号(第4回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
丹羽 哲夫(にわ てつお)

チーフ・コンサルタント 丹羽さん

分子生物学の世界から「研究・開発の生産性」に興味を持ち、JMACに入社

研究・開発部門の知的生産性向上やマネジメント革新に関するコンサルティングを中心に、 幅広い業種のクライアントを支援している。

ロジカルシンキング研修やプレゼンテーション研修、 プロジェクトマネジメント研修など様々なテーマで幅広い業種のクライアントを支援している。

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