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新入社員研修オンライン化の実践ポイント:第4回

チーフ・コンサルタント  丹羽 哲夫 

■はじめに

 本コラムでは新入社員研修をオンラインで実施する際のポイントをシリーズで紹介していきます。
 前回は「アウトプットを設計する」というポイントについて弊社事例も交え、紹介しました。
 今回は研修実施時の脱落防止と復帰支援のポイントについて紹介します。

■オンラインでの新入社員研修では脱落防止と復帰支援が重要

 オンラインでの研修をリアルでの集合研修と同じ感覚で実施すると置いていかれる受講者が続出してしまいます。オンライン研修は誘惑を妨げるもの(事務局の目や頑張っている他の受講者の姿、隔離された環境など)が少なく、脱落しやすい環境です。また、オンラインの研修では、こっそりと隣の人に「今どこの内容?」といった確認ができないため、復帰もしづらい環境です。オンラインで新入社員研修を行う際には脱落防止と復帰支援を行うことがとても重要です。

■受講者の脱落を防ぐポイント

①講義を聞くだけのプログラムにしない

 オンラインでの聴講の集中力は10~15分といわれています。オンラインでの研修では周りに人がいない分、「見られている」という意識が薄くなり、長く集中を維持することが出来ません。講師側が連続で話をするのは10分程度になるように設計することがポイントです。
 

②こまめにアクションを入れる

 受講者の集中を維持するには話の途中などでこまめにアクションを入れることが効果的です。ちょっとしたアクションは集中の維持に加え、“他のことに気を取られていると置いていかれる”という健全な緊張感も演出することが出来ます。

<アクションの例>

・挙手ツールで手を挙げてもらう

 使用ツールがZoomやTeamsであれば挙手ツールが活用できます。
 Meetでも“Nod”という拡張機能を活用することで挙手が可能となります。
 挙手以外でも「反応」ツールの活用は有効です。

・物理的に手をあげる、ハンドサインを出してもらう

 受講者がツールに不慣れな場合はカメラに向かってハンドサインを出してもらうのも効果的です。ツール活用より反応スピードが速く、講義のテンポを崩しません。

・クイズに答えてもらう

 Zoomであれば投票機能を活用することでクイズを設定することが出来ます。

・チャットに何かを打ち込んでもらう

 タイピングが苦手な受講者が多い場合はあまり機能しません。しかし、画面共有で四択の選択肢を提示しておき、チャットに答えだと思う選択肢の番号だけを打ち込んでもらうといった工夫をすれば反応スピードを高めることが出来ます。

③受講者側の操作、作業は細かく指示を出す

 「グループワーク中はカメラ・マイクを両方オンにしてください」「ワークシートの〇ページを画面共有してください」など受講者が行うパソコン操作は細かく、具体的に指示を出すのがポイントです。オンライン研修では受講者が一人きりになるため、実際の研修以上に細やかな気配りが必要です。

④ツールの練習を実施する

 新入社員研修の中盤以降は不要ですが、序盤ではツール操作の練習をプログラムに組み込んでおくべきです。操作方法が分からないと効果的な演習への参画ができなくなり、研修効果が落ちてしまいます。

■講師側の脱落を防ぐポイント


受講者側だけでなく、研修を行う講師側も脱落(講義中断)しないように準備する必要があります。

①講師もツールの理解を深めておく

小さなミスを起こすと焦りから他のミスも誘発されやすくなります。受講者だけでなく講師側もツールの理解を深めておく必要があります。  

②画面上の配信環境を整備する

特に複数アプリを使用する場合、画面レイアウトを事前に確認しておくとミスが減ります。確認しておくことで受講者の顔が映るウィンドウとスライドが重なり、画面共有している資料が隠れてしまうといったミスを防ぐことができます。

③補助役を置く

チャットに投稿された質問、機材トラブル、受講者側の講義内容とは関係ない質問(〇〇のファイルが開きません、送付されていませんなど)などに対応する人を置いておくことが大切です。講師が講義を行いながらこれら全てに対応することは困難です。素早く対応できる補助役がいると講師も安心して研修を行うことが出来ます。

■受講者の復帰支援のポイント


①区切りで「現在地」を示す

通信途絶などで脱落した場合、「今どこを講義しているのかが分からない」という状態になります。休憩の入りや明けに限らず何かしらの区切りのタイミングで全体像の中での現在地を示すと親切です。また、自分で現在地を探せるようにテキストを紙で手元に用意させるのも効果的です。

②疑問・質問を常に受け付けられるようにする

チャットなどで常に質問を受け付けるようにしておくと復帰しやすくなります。しかし、大勢の同期の前で名前が表示される形で「分からない」と質問するのは恥ずかしいものです。匿名で質問できる環境を用意しておくと効果的です。   
また、受講者の中には「こんな些細な質問で講義を止めると迷惑になる」と遠慮する人もいます。ちょっとしたことを気軽に質問できるように受講者だけの掲示板やチャットルームを作っておくと質問者の心理的なハードルを下げることが出来ます。この場は講師や人事が閲覧できない設定にしておくことが大切です。第三者がいると効果が激減します。

③システム要因での脱落に備え、復帰方法をあらかじめ伝えておく

通信障害やパソコンの不具合などで脱落してしまった場合の連絡先や復帰方法についての案内資料(紙媒体)などを整備しておくと受講者の焦りや混乱を最小限に抑えることができます。


今回、コラムで紹介したポイントは日本能率協会マネジメントセンターから出版されている『第一線コンサルタントが実践している テレワーク50のコツ』でも紹介しています。そちらもご覧いただければ幸いです。

⇒ 「新入・若手社員研修」の詳細はこちら
⇒ 「ビジネス基礎トレーニング」の詳細はこちら

>> 丹羽 哲夫 のコラム 前号(第3回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
丹羽 哲夫(にわ てつお)

チーフ・コンサルタント 丹羽さん

分子生物学の世界から「研究・開発の生産性」に興味を持ち、JMACに入社

研究・開発部門の知的生産性向上やマネジメント革新に関するコンサルティングを中心に、 幅広い業種のクライアントを支援している。

ロジカルシンキング研修やプレゼンテーション研修、 プロジェクトマネジメント研修など様々なテーマで幅広い業種のクライアントを支援している。

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