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新入社員研修オンライン化の実践ポイント:第6回(最終回)

チーフ・コンサルタント  丹羽 哲夫 

■はじめに

 本コラムでは新入社員研修をオンラインで実施する際のポイントをシリーズで紹介していきます。
 前回は研修実施後の「フォロー」についてオンラインでも実施できる取り組みを紹介しました。
 今回は「登壇者への事前アナウンス」をテーマにオンライン研修ならではの留意点について紹介します。

■多様な登壇者へガイドが必要

 新入社員研修には「登壇者が多岐にわたる」という特徴があります。本コラムの第二回でも触れたとおり、新入社員研修には複数の目的が存在します(1.自社の理解を深める、2.業務に必要な知識やスキルの習得、3.同期の仲間づくり、4.学生気分の払拭)。目的やプログラムが多岐にわたるため、必然的に登壇者も多岐にわたります。
 
 オンライン研修に長けている人物であれば最低限の申し送りで事足りますが、そうではない場合は丁寧な事前ガイドが必要です。登壇者がオンラインでの研修に苦手意識を持ってしまうと、依頼側としては翌年以降の登壇を避けられてしまうリスクが高まります。登壇者に一定の達成感や手応え感を感じてもらえるよう、リアルでの研修とオンライン研修の違いを伝えておく必要があります。

 今回は「登壇者に気持ちよく実施してもらう」ために、登壇者へ何をガイドしておくとよいかについて紹介します。

■オンライン研修ならではの留意事項


①反応がない、遅れる

 リアル研修とは異なり目の前に受講者がいないため、反応が掴みづらいことを念押ししておく必要があります。また、通信環境によっては何らかの反応を求めた際、反応がワンテンポ遅れます。たとえ反応が無くても"そういうものだと"動じない、数秒ゆっくり待つ、という心構えや対応をガイドしておくと効果的です。職場の仕事紹介を行うといったオンライン登壇経験が少ない登壇者が反応の無さに凹んでしまわないように「反応の無さや遅れ」は事前に伝えておくと丁寧です。また、初めから"(いい意味での)鈍感力"が高い方を選定するように依頼するのも一つの手です。
 反応の遅れは通信環境だけでなく、マイクをオンにし忘れていた、タイピングの熟練度が高くない(チャットに手早く入力できない)といった理由もあります。様々な原因で反応が遅れることを踏まえ、講師と受講者のやりとりは出来るだけシンプルにするよう事前に伝えておく必要があります。
 また、反応の無さの一例として"受講者が真顔になりがち"ということも事前に伝えておくと、登壇者が過度に凹んでしまうことを予防できます。

②アドリブがしづらい(アドリブで回すこと前提としない)

 リアル研修では受講者の表情や反応(笑いや小声の突っ込み)などがアドリブの材料になっていました。しかし、オンライン研修ではこのような材料はほぼありません。オンライン研修では台本を用意したうえで台本8割、アドリブ2割の精神で臨むといい具合になります。ここでのアドリブとは"通信トラブルへの対応"がメインです。登壇者へは「事実上、アドリブを入れずに進める」ことを心得としてガイドすべきです。

③変に盛り上げようとしない

 リアル研修では軽いギャグを入れることで場の雰囲気が和らぐことがあります。しかし、オンライン研修では"雰囲気"を感じることが出来ないため、雰囲気を和らげる効果が期待できません。また、講師側も自分のギャグが受けているのかどうかがはっきりと把握できません。無理に盛り上げようとすると確実にすべった空気になるため、空気感を変えるのであれば、何らかのアクションを聞き手に取ってもらう方が効果的です(反応ツールの使用、指名して回答してもらうなど)。登壇者の良かれと思っての行動が裏目に出てしまうことがあるため、事前に一言ガイドしておく必要があります。

④カンペや内職ができる

 リアル研修ではできませんが、オンライン研修ではカメラに映らない部分にカンペを用意し、それを見ながら話をすることができます(カメラから視線を外さないようにする配慮は必要)。また、資料を投影し、顔を出さないのであればチャットなどでサブ講師とのやり取りや調整をすることも可能です。これらを事前に伝えておくと、登壇候補者の心理的な負担を軽減することができるはずです。

⑤通信環境を確保する

もし登壇者と事務局がいる場が別の場である場合、通信や通信環境に気を配るようにガイドする必要があります。ポイントは次の3つです。

1)通信回線の確保  
講師側も通信障害に備え、バックアップの回線を用意しておくことが望ましいです。可能であれば有線で接続できると安心です。

2)画面の整理  
複数のアプリを使う場合、画面レイアウトを事前に確認することをお勧めします。事前に確認しておかないとウィンドウが重なって資料の一部が見えないなどのミスが発生してしまいます。小さなイレギュラーが発生すると焦りから他のミスが誘発されやすくなるため、直前に画面上の配信環境を整備するようにガイドしておくと親切です。 また、普段からデスクトップ上に様々な資料を置いている人はうっかり秘匿性の高いファイルが映ってしまうリスクもあるため、デスクトップの整理も合わせてガイドしておくと安心です。

3)リアル世界の配信環境整備
配信会場の人払いや告知を行い、余計な音が入らないようにする必要があります。場所によっては廊下の笑い声や足音、自宅からであればペットの鳴き声やリビングのテレビの音など入ってしまうことがあります。こうした雑音は受講する側にとっては気になるものです。通信環境だけでなく配信の環境についてもガイドがあると親切です。

 新入社員研修は単発の取組ではなく、毎年実施されるものです。登壇者が翌年以降も前向きに参加してもらえるように気配りをすることが大切です。今回のコラムではオンラインで実施する際に求められる事前ガイドの中身について紹介しました。このコラムがオンラインでの新入社員研修を検討・実施されている皆さまの一助になれば幸いです。

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>> 丹羽 哲夫 のコラム 前号(第5回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
丹羽 哲夫(にわ てつお)

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新入社員研修をオンラインで実施する際のポイント_オリジナル版(約23分)

新入社員研修をオンラインで実施する際のポイント_ダイジェスト版(約1分40秒)
from 日本能率協会コンサルティング on Vimeo.

チーフ・コンサルタント 丹羽さん

分子生物学の世界から「研究・開発の生産性」に興味を持ち、JMACに入社

研究・開発部門の知的生産性向上やマネジメント革新に関するコンサルティングを中心に、 幅広い業種のクライアントを支援している。

ロジカルシンキング研修やプレゼンテーション研修、 プロジェクトマネジメント研修など様々なテーマで幅広い業種のクライアントを支援している。

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