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外国人材も活かすためのダイバーシティ経営を実現するために
第1回:外国人材という新たな「経営資源」
パートナーコンサルタント ダオ・ユイ・アン

■ はじめに

 人材が経営資源であるということは、皆さんご存知の通りです。企業はモノを作ったり、サービスを提供することにより、社会の需要に応えていく中で、その対価を売上として受けています。そしてモノを作ったり、サービスを提供する過程の中では、必ず人が関わっています。逆にいうと、人がいなければ、企業は稼働できないと言えるのではないでしょうか。

 しかし一方では、AIやIoTの技術革新により無人のサービスが広がっているという反論をも聞こえてきそうです。確かに一部の産業では自動化・無人化が進んでいますが、それを実現するためのシステムを構築するのも人です。人の関わりが直接部門から間接部門にシフトしているという現象が起きていますが、やはり人の必要性は否定できません。
 
 人の必要性はそれだけではありません。実は企業の信用は、人によって作られている、あるいは人によって守られていることも忘れてはいけません。これは何も企業トップのことに限ったことではありません。担当者の対応一つで、その企業に対する好感度が上下する経験は誰もが一度ならずあるのではないでしょうか。

 ところで、近年日本では外国人材が急増しています。外国人材を一言で言っても実はいろいろな立場(あるいは在留資格)の人がいます。在留資格は大まかに分けると、活動に応じた在留資格と身分に応じた在留資格があります。活動に応じた在留資格には、専門的・技術的分野の在留資格の他に、現場等での単純作業を含めて働く技能実習・特定技能などの在留資格も含まれます。

 今回は外国人材、特に専門的・技術的分野の在留資格保持者を中心にご紹介します。
 

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■ 外国人材が新たな「経営資源」である


 「ダイバーシティ」という言葉は、広く普及されてきました。日本ではダイバーシティ促進というと、女性・高齢者・障碍者の活躍促進というイメージを強く持たれている方が多いようですが、外国人材もこの中に入ります。
 既に日本は、外国人材を日本社会の一員として迎え入れています。
私のコラムでは、外国人材のポテンシャルを認識し、新たな「経営資源」として活用することを提案・ご紹介させていただきます。

さて、外国人材はどのようなポテンシャルを持っているのでしょうか。

 まずは、外国人材を雇用することによる、業務・事業への「創発」効果という視点です。人は、コミュニティの中で過ごしていく過程で、そのコミュニティで通じる「当たり前」と「既成概念」を知らぬ間に取得するものです。これらの「当たり前」と「既成概念」を共有することでコミュニティ内での絆が深まったり、コミュニケーションがスムーズに行われるようになったりするものです。逆に、「当たり前」や「既成概念」を否定すればコミュニティから仲間外れにされるのではないかという心理が働き、人はその話題になると思考停止になりがちです。

 一方で、「当たり前を疑う」ことがイノベーションの始まりだとも言われています。例えば、成立条件と関係なしに長く存在している「当たり前」や「既成概念」にスポットを当てることにより、いろいろと気づきを得ることができるのでしょう。そして、現状に適した新たな「当たり前」や新たな「概念」に変えることができれば、これが正にイノベーションのではないのでしょうか。上記を踏まえれば、外国人材がイノベーションへの触媒だと言えます。なぜならば、外国人材は日本人と違うバックグラウンドを持っているからです。日本人の「当たり前」や「既成概念」が彼らには通じないので、否応なしに「当たり前」を考え直すきっかけを提供してくれたり、日本人の既成概念に捕らわれない発想を出してくれたりするのでしょう。そして、日本と自国との比較ができる彼らは、日本人が気づかない気づきを持っている可能性が高いとも言えます。

 次は、外国人材が持つ、日本と自国間の「ネットワーク」活用という視点です。「自国との懸け橋」という事業ポテンシャルという観点から見ると、外国人材を通じて、その国の人々・企業・市場にアクセスできるようになるということはいうまでもないのでしょう。実はこれが彼らの一番の強みであり、それを活かしてあげることは、企業にも本人にも大変良いことです。外国人材は日本人の代替としてではなく、例えば彼らの強みを活かせる海外ビジネス部門等で採用することにより、周りの日本人からの納得も得られると思います。

 外国人材のポテンシャルについて言及しましたが、日本人だけの勤務環境では手に入れることのできないポテンシャルということはご理解頂けたと思います。
 但し、実際に外国人材を採用する時の注意点がいくつかあり、それをないがしろにすると、社内での摩擦が起きたり、外国人材が組織に馴染まなかったりする結果を招いてしまうので、注意が必要です。次回はその注意点に触れながら、どうすれば外国人材のポテンシャルを発揮できるかについてご紹介したいと思います。

コンサルタントプロフィール

日本能率協会コンサルティング パートナーコンサルタント
COPRONA株式会社 代表取締役社長
ダオ・ユイ・アン

ダオ・ユイ・アン

ベトナム・ダナン出身、高校卒業後来日
東京大学工学部建築学科卒業、同大学院工学研究科建築専攻修士課程修了
日本で5年間企業勤務後、COPRONA株式会社の設立時から参画し、2013年6月より同社代表取締役社長
現在は、NPO法人アジア中小企業協力機構理事を務めるとともに、2018年よりJMACパートナーコンサルタント
日本企業のベトナムビジネスの展開、ベトナム企業と日本企業との連携促進、ベトナム人材採用をサポート
2020年には有料職業紹介業の許可を取得し、事業を拡大

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