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「R&D組織・チームを変えていくためのインターナル・コンサルタント養成のヒント」
第6回:変革の取り組みの継続発展や横展開に向けたICの役割発揮

コンサルタント 仁木 恵理

■はじめに

 第5回はJMACとICの支援によって、チーム主体で仕事の進め方や開発プロセスを変えていった変革ドラマについてご紹介しました。
 最終回は、チームの変革の取り組みの継続発展や、変革ナレッジの資産化、他部門への横展開におけるICの役割発揮の仕方や事例についてお話をします。 

1.チームの取り組みを振り返り、成果を認め、次の課題設定を促す

 一定期間が経ち、JMACの支援が終わっても、チームの変革の取り組みは終わりではありません。チームが外部コンサルタントの支援なしで自分たちの力で試行錯誤しながら、変革を継続していく、いわゆる自走に移行していきます。
 ここで重要なのが、なりゆきで自走に移行しない、ということです。

 意図的に節目の場を設定し、チームがこれまでの取り組みを振り返り、互いの成長や成果を認め、称え合うこと。次はどこを目指してどんな一歩を踏み出すのか、といった次の変革課題を設定することです。(技術KIでは、卒業発表と呼ばれる節目がこれに当たります。)

 ここでのICの役割は、ICがリーダーも気づいていないチームの変化や、メンバー本人も気づいていない個々の変化、成長に着目してフィードバックすることです。ICは、結果だけではない様々な角度から成果を捉え、フィードバックすることで、チームを動機づけます。

 また、次の変革課題の設定については、ICは自分なりの仮説を持ちつつも、リーダーがどういったチームを目指したいのかといったことに耳を傾けていきます。JMACは、マネージャーからの期待とリーダーの思いをつないだり、経営視点に立って期待を伝えたりしながら、チームのより良い課題設定に貢献できるよう、ICを支援していきます。

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2.チームとの新たな関係性と場を設計する

 自走に移行する際に、ICはチームとの関係性を意図的に変化させ、そこに適した場の設計を行っていきます。

(1)チームとの関わり方を考える
 まずは、チームの変革の発展継続のために、ICとチームで今後の関係性について対話を進めます。例えば、日々の取り組みは、前向きに進められそうなのでしばらく見守ってほしい。一方で、節目の振り返りやチーム外との連携は、チームとして十分でないため、節目の振り返りの場の設定や振り返りの質を高める投げかけをしてほしい。また、連携の必要性に気づけても、チーム外の専門家とクイックに連携することが難しいため、サポートしてほしい。といった、チーム自身がサポートしてもらいたいことを考え、ICがそれに応じた場を設計していきます。


(2)リーダーとの関わり方を考える
 次に、ICとリーダー、マネージャーの関わり方については、以下のような効果を狙ってICが場の設計をできるよう、JMACが支援します。
・リーダーがひとりで抱え込むことなく、チームの課題解決への知恵集めができる
・(チームが複数ある場合は)リーダー同士で、取り組み状況を共有することで、
 これまで以上に切磋琢磨し、成長できる
・リーダーからの相談内容によっては、ICがチームに介入するタイミングをはかることができる


(3)チーム同士の関わり方を考える
 さらに、複数のチームが横並びで活動している場合には、隣のチームがどんな自走の取り組みをしているのか、定期的に共有する場をICが設計します。(技術KIでは共有会がこれに当たります。)
 自走に移行して取り組みがマンネリ化してきたり、チームの士気がすこし下がってきたチームにとっては、他チームからの刺激が定期的にあることは効果的です。また、この場があることで、チームが定期的に自分たちの取り組みを振り返るきっかけにもなります。
 JMACは、いかにこの場の意味合いやメリットをチームに伝えられるか、いかに場が形骸化しないように運営するか、といったことに重点をおいてICを支援します。


 このように、ICはチームの変革課題や成熟度に応じて、柔軟に関係性を変えながら、また、チーム同士の相互刺激もうまく活用しながら、取り組みが継続発展していくための支援をしていくのです。

3.変革ナレッジを資産化し、活用する

 IC養成のなかでICが学び、まとめた”変革のナレッジ”は、チームが見たい時にすぐ見られる場所に保管しておきます。(ナレッジの中身については第3回コラムの「2(2)基礎編の主なアウトプット」を参照してください。)

 ICが主導で、ナレッジ集として冊子にまとめて常にチームが読み返せるようにする場合もあれば、皆が閲覧可能なポータルサイトに載せておく場合もあります。いずれにしても、見る習慣をつけることと、最新化するタイミングや方法を決めておくことが重要です。

 積極的に各手引書をチームに紹介したり、良き事例やアウトプットをチームから集め、参考事例として最新化していくこともICの役割です。

4.次の変革対象を選定し、横展開を狙う


 最初の変革チームの取り組みに続いて、他部門のチームにも変革を横展開していく時にも、ICは役割を発揮します。組織のなかで継続的に変革チームを立ち上げるプロセスを、IC主体で創り上げていきます。

(1)変革事例の発表会の開催
チームの変革の取り組み事例について、部門を超えてマネージャー層に共有する場を設計します。変革の取り組みの意味合いやメリットが伝わるようなプレゼンを意識し、他のマネージャーにうちでもやってみたいな、と思ってもらえるように工夫をします。良い反応を示したマネージャーには、個別にフォローするなど、社内の人間ならではの草の根的な動きによって、マネージャーをその気にさせていくのがICの役割です。

(2)対象チームの選定プロセスの構築
対象チームの選定については、変革の責任者であるトップの意向も汲みながら、公募なのかトップの選抜なのかIC主導でトップと協議をします。いずれにしても重要なのは、対象チームとなったマネージャー、リーダー層の意思です。ICはマネージャー、リーダー層の意思を尊重し、丁寧にフォローしながら変革への意欲を高めていきます。選定プロセスは、決める過程でもあり、変革への納得感や意欲を醸成する過程でもあるのです。

(3)変革の進め方のデザイン
対象チームが決まると、今度はチームの課題や要望に応じて、誰がどのように変革を支援していくことが適切なのかを、トップ、マネージャー、IC、JMACで検討します。JMACは常に経営視点に立ち、ICとの連携の仕方やチームへの関わり方など、経営課題の解決を見据えて変革の進め方をデザインしていきます。 IC養成を通して、実績と自信を得たICが、他部門に向けた"草の根的な啓蒙活動"や"変革への納得感や意欲の醸成に向けた丁寧なフォロー"を主導することで、変革の横展開が加速していくのです。

 最後に、私は、変革し続けられる組織風土の醸成のためには、チームの変革に寄り添うと同時に、経営視点で次の課題設定や新たな関係性づくり、変革のデザインをしかけ続けられるかが課題だと考えています。それには、社内でチームに伴走しながらクイックかつ丁寧に動けるICと、経営とタッグを組み、常に経営視点で全体をデザインするJMACの連携が鍵となるのではないでしょうか。
 6回にわたりコラムを読んで頂き、ありがとうございました。R&D組織の変革を志す皆さまの一助となれればうれしいです。

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>> 仁木 恵理 のコラム 前号(第5回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

コンサルタント
仁木 恵理(にき えり)

仁木さん

2010年にJMAC入社以来、主にR&D部門の組織変革や技術KI活動、チームやプロジェクトのマネジメント力強化、企画提案力強化を中心にコンサルティング経験を積む。
最近は、"変革し続けられる組織文化の醸成"を目的としたインターナル・コンサルタントの養成に力を入れている。
コミュニケーション、ファシリテーション、ダイバーシティといったテーマで新人から管理職まで幅広い研修実績がある。

臨床心理士というバックグラウンドを活かして、ひとりひとりと向き合い、多様性を尊重した適切な関わりやフィードバックを行う。また、フィードバックによって、人の自己効力感を高め、「わたしならできる!」と一歩を踏み出すことを促していく活動スタイルを大切にしている。

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