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  3. 技術を核にした新事業開発を担う人材育成を考える第5回:新事業開発の実践型研修ではまりがちな落とし穴チーフ・コンサルタント  小田原 英輝 

技術を核にした新事業開発を担う人材育成を考える
第5回:新事業開発の実践型研修ではまりがちな落とし穴

チーフ・コンサルタント  小田原 英輝 

◆はじめに


 新事業開発は普段の業務とは異なる性質を持つ取組みであり、その実践型研修では様々な落とし穴にはまってしまいがちです。今回のコラムでは、新事業開発の実践型研修ではまりがちな落とし穴とそれを回避するためのポイントについてご紹介したいと思います。

①デスクワーク偏重で当たり前で抽象的な企画しか生まれない


 前回のコラムでご紹介したように、新事業テーマを企画するために、そのタネとなる情報収集は重要です。しかし、政府系/市場レポート、Web上の情報といった公開情報ばかりに頼って企画を進めてしまうと、他社と横並びの当たり前の企画になってしまったり、顧客像やニーズが抽象的な実現性の低い企画になってしまったりするという失敗が起こりがちです。

 こういった失敗を防ぐためには、新事業テーマの企画仮説を描いたら、すぐにフィールドワークに移行し、短サイクルの仮説検証を通じて企画を練り上げいくことが有効です。顧客インタビューや現場観察といったフィールドワークによって、公開情報には記載されていないような顧客の実態やニーズを、より具体的に把握することができ、よりリアルなニーズに基づく実現性の高い企画検討に繋がります。新事業開発の実践型研修には、こういったフィールドワークを取り入れることが重要なポイントになります。


②リーダ1人の孤軍奮闘になってしまう


 新事業開発の実践型研修でチームを組む際に、役職や年齢の高い人などをリーダに設定して検討を進めると、そのリーダだけが孤軍奮闘する検討になってしまいがちです。新事業開発においては、多様な意見や能力の活用が重要ですが、リーダと異なる意見をメンバーが発しにくくなったり、リーダの指示する範囲内の検討にしか手を出さないようになったりという状況になってしまいます。

 こういった失敗を防ぐために、リーダは設定せず、全員リーダ型のフラットな横串チームを編成することをお勧めしています。上下関係をできるだけなくすために役職や年齢が近い人でチームを組んだり、同じ部門からのメンバーによる既存の上下関係の影響や妥協を防ぐために異なる部門の人でチームを組んだりするイメージです。こういったフラットなチームにすることで、異なる意見交換が活発になり、メンバーの自主的な検討もより活発になっていきます。また、事業開発を牽引するリーダ的な人材も、そういった環境の中で自然発生的に生まれてくるケースが多いです。

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③新事業開発の成功イメージが持てず、やる気を上げられない


 新事業開発は通常業務よりも不確実性が高く、難易度の高い取り組みです。参加するメンバーの高い熱意や意欲を醸成できなければ、体裁のよい形だけの提案をして実践研修を終えてしまうという落とし穴にはまってしまいます。

 新事業創出の熱意や意欲を高めるために有効な1つの手としては、社内のロールモデルを示すことが挙げられます。具体的には、社内で過去に事業化を成功させた経験者がその事例や教訓を話す場を設けられるとよいです。新事業開発を成功させた人は、それだけの高い熱量を持った人であることが多く、受講生に多くのやる気やエネルギーを与えてくれるケースが多いです。

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④現業に引っ張られ、新事業開発の検討に時間をかけられない


 職場の上長の理解が十分ではないと現業優先になってしまい、職場で新事業開発の検討に時間をかけることができず、なかなか前に進まないという状況になってしまいがちです。

 こういった落とし穴を回避するためには、職場の上長を研修に巻き込むことが有効です。研修の事前説明でその意義や必要な工数を十分に説明することも有効ですし、キックオフや中間報告会といった場にも参加してもらい、経営層が発信する新事業開発に関する想いやメッセージを一緒に聞いてもらうことは特に有効です。



■終わりに


 今回のコラムでは、新事業開発の実践型研修ではまりがちな落とし穴についてご紹介しました。
 次回のコラムでは、実践型研修を事業創出成果に繋げるためのポイントについてご紹介したいと思います。

⇒※「MOT:技術を核にした事業化実践研修」の詳細はこちら

>> 小田原 英輝 のコラム(第3回)はこちらから

>> 技術を核にした新事業開発を担う人材育成を考える④(今井 崇人)はこちらから

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
小田原 英輝(おだわら ひでき)

チーフ・コンサルタント 小田原さん

技術を核にした新事業/新商品創出に関するコンサルティングを中心に、製造業の幅広い業種のクライアントを支援している。 近年は、オープンイノベーションやビジネスモデル策定、特許戦略策定などにも注力しており、継続して成果を出し続けるための仕組みづくりまで支援するスタイルや現場伴走型の支援スタイルが特徴。

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