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「製造現場における人材育成」
第4回 :現場における人材育成

チーフ・コンサルティングプランナー
山元 康信

1.学習効果を評価するために

 前回は人材育成の中で腕をみがく場として保全道場について紹介したが、では教育実施後の効果についてはどのように評価すればよいだろうか。

 本コラム第1回で人材育成にはPDCAが大切であると述べた。
 保全道場も含めて現場での教育効果の測定・評価はいろいろな方法が考えられる。
別途確認テストを作成して合格点を設定したり、現場での改善件数や改善提案件数を評価指標とすることもよく行われている。このようにKAI(Key Action Indicator:重要活動評価指標)を効果指標とすることは一般的であり、上司の評価に直接結びつくため、受講者としても納得のいく、またやりがいのある評価方法であろう。
 しかしKAIや社内で作成した確認テストなどの評価は、テスト内容を同じ難易度で毎回作り変えることが難しい上、各社レベル差が大きく千差万別であるため、製造業全体から見た評価という点では難しいのが実態であろう。

 今回は、公平な評価という意味で第三者の資格試験による評価をご紹介したい。
資格試験は第三者の評価であるため各社教育の評価尺度のバラツキがなく、受講者としても資格が得られることはやりがいにもつながるであろう。
今回は、2つの資格試験を紹介したい。

2.機械保全技能検定

 機械保全技能検定試験とは、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が厚生労働省から委託を受け運営する設備保全に必要な知識・技能の習得レベルを評価する国家検定である。合格すると「機械保全技能士」を名乗ることができる。

 機械保全とは、機械単体の保全ではなく、工場の設備機械の故障や劣化を予防し、機械の正常な運転を維持し保全するための製造現場の共通作業で、機械保全技能検定は機械の保全に必要な技能・知識を対象としている。

 またこの機械保全技能検定の特徴として、3級は一般的な知識を問う試験内容から、1級は専門保全従事者が受検できる高い専門性が問われる試験内容となっており、幅広い人達が受検できることがあげられる。

 また実際の受検者の受検目的は1位保全技能レベルの向上、2位 自己啓発 3位オペレーターのレベル向上と、人材育成とそのレベル評価を目的として受検している傾向がある。

 「機械保全作業」「電気保全作業」「設備診断作業」の3つがあり、資格区分として特級・1級・2級・3級の4段階に分かれている。
 毎年3万人以上が受検する技能検定であり、昨年度の2級の受検者数は8,438名で合格者数は2,469名であった。合格率は29%と難関ではある。そのため機械保全技能士の1級は、転職の際にも有利になる公的資格と言われている。

 試験科目の概要は下記のとおりである。

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機械保全技能検定についての詳細は日本プラントメンテナンス協会のホームページをご覧いただきたい。

 また弊社では、機械保全技能検定の対策講座として「機械保全技能検定受検準備講座」を毎年開催している。
本受験講座のお申込み・お問合せは弊社ホームページをご参照、または「お問合せ」までご連絡ください。

3.自主保全士認定制度

 自主保全士認定制度とは、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が自主保全の知識・技能の習得レベルについて独自に認定する民間試験である。自主保全とは簡単にいうと製造オペレーターが始業前に行う点検や給油・調整などの保全業務のことである。製造オペレーターに求められる知識と技能について、製造部門が受け持つ保全の一部の機能や管理技術を客観的に評価する尺度を定め、「検定試験」を通じて認定するものである。自主保全士は機械保全技能士と違い、専門保全部門よりも製造オペレーターに必要な知識・技能が問われる試験内容となっている。

 自主保全士に求められるのは「4つの能力」と「5つの知識・技能」である。
 詳細を下記に紹介したい。

 ・自主保全に関する「4つの能力」
  ●異常発見能力 異常を異常として見る目を持っていること
  ●処置・回復能力 異常に対して正しい処置が迅速にできること
  ●条件設定能力 正常や異常の判定基準を定量的に決められること
  ●維持管理能力 決められたルールをきちんと守れること

 ・現場管理に関する「5つの知識・技能」
  ●生産の基本
  ●設備の日常保全(自主保全全般)
  ●効率化の考え方とロスの捉え方
  ●改善・解析の知識
  ●設備保全の基礎

 試験科目の詳細は、以下のとおりである。

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 自主保全士の詳細については公益社団法人日本プラントメンテナンス協会のホームページをご参照ください。


 今回は教育効果の評価として2つの資格試験を紹介したが、資格だけではなく、他にもいろいろと考えられる。
 各社にあった評価方法を社内で議論していただきたいが、評価もさることながら、人材育成には「ゴール」(目標)が必要である。受講者には「ここまでやればよい」という目標を持たせることが、人材育成に限らず必要なのである。
 そしてその目標をどう定めるのかによって、人材育成の良し悪しが決まるといっても過言ではない。

【参考文献】
「機械保全技能検定オフィシャルガイド」 公益社団法人日本プラントメンテナンス協会
「自主保全士とは」 公益社団法人日本プラントメンテナンス協会ホームページ

>> 関連する研修「自主保全ステップ展開セミナー」

>> 山元 康信 のコラム 前号(第3回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

TPM事業本部 インテリジェントメンテナンスセンター 
チーフ・コンサルティングプランナー
山元 康信(やまもと やすのぶ)

山元さん

1992年日本プラントメンテナンス協会入職。2013年日本能率協会コンサルティングと合併後現在に至る。

コンサルティングプランナーとして数多くの食品工場を担当し、TPM活動を通じて、 生産性向上、労働安全を含めた改善活動の推進を経験してきたとともに、TPM優秀賞の審査などで診断も経験。

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