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MOT:技術を核にした事業化展開
第8回:~事業化計画の検討~NFS変換と技術ポトフォーリオ
シニア・コンサルタント 細矢泰弘

■はじめに

 本コラムでは、著者 細矢 泰弘が40年経験した新商品・新規事業のコンサルテイング事例から原理・原則的なポイント、基本的な考え方・進め方を計12回に渡って連載します。
 今回は「~事業化計画の検討~NFS変換と技術ポトフォーリオ」についてお話しします。

1.NFS変換

 この手法はJMACが20年以上使っているものです。顧客ニーズから技術課題を抽出する基本手法として有効です。顧客ニーズは仮想カタログ、顧客プロセス分析等から仮説を出します。性能値は数値で表現し、おおよその開発スペックを決めます。適応技術については、技術ライフサイクルから考えて、どの技術がよいか選ぶのもひとつの重要な要素になります。車のハイブリッドの技術も70年代の論文では100近くありました。その中で今の方式が結果として選定されています。適応技術に対する要素(構成)技術の完成度も同時に考慮する必要があります。

 また技術は対象となる製品・商品に向き不向きもあります。これも技術と市場の適用から考慮しなくてはいけません。今日の技術変遷を見ていますと、デジタル化技術にアナログ要素を取り入れて差別化するのも一つのポイントと考えます。
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2.技術ポトフォーリオ

 この手法もJMACで20年以上使われている基本手法です。横軸に技術の重要度(その事業の商品化に必要な度合)と縦軸に技術水準(競合と比較OR絶対性能値、例として燃費など)を表します。
 
 以下の事例は2020年までに延ばしたい要素技術は何かを表します。この図では、特にIP技術とカラー通信技術を伸ばしたいと考えています。このチャートは、NFS分析から必要な技術課題が抽出されていることが前提条件になります。
 また目的としては、どの要素技術に重点的に開発リソースを置いたらよいかの戦略的な意志も表しています。実際のコンサルテイングの場面では、NFS分析が体系的になされず、要素技術が漏れてしまったり、計画・管理されない状態が時々出てきます。結果として事業化・商品化遅れにつながることに遭遇します。NFS手法はシンプルですが、きちんとできるようになるには訓練が必要と常に感じています。
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>> 「第7回:事業化計画の検討~手順とポイント~」はこちら

コンサルタントプロフィール

R&Dコンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
早稲田大学大学院非常勤講師
全日本能率連盟MC(マスターマネジメントコンサルタント)審査委員
細矢 泰弘

細谷さん

技術を核にした事業化を専門とし200以上の事業化をてがけてきた。リサーチ・提案だけでなく、研究開発からマーケテイング、コスト開発、生産技術まで一貫して支援し、キャッシュを回収するまでの"創って、作って、売る"実践を重視することである。技術特性をわかりやすい"顧客価値ことば"に変換して経営者と技術者の橋渡しと 技術者の事業家育成をライフワークにしている

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