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技術を核にした新事業開発を担う人材育成を考える
第6回(最終回):実践型研修を新事業創出成果に繋げるために

チーフ・コンサルタント  小田原 英輝 

◆はじめに


 新事業開発の実践型研修の狙いは、事業化人材を育成することと同時に、具体的な新事業を創出することです。今回のコラムでは、新事業開発の実践型研修を通じて、新事業創出という成果を実現するための工夫を3点ご紹介したいと思います。

①受講生が自由に使える予算を準備する


 新事業開発では新たな市場や製品・サービス分野に進出することになるため、市場や顧客、競合などに関して様々な情報を収集したり、検証をしたりする必要があります。その際に必要となるのが、大きな額ではなくてよいので受講生が自由に使える予算枠です。
 自由度の高い一定の予算枠さえあれば、自ら既存製品を購入して顧客の不満を自己体験してニーズを検証したり、競合製品を購入して実物をベンチマーキングしたり、プロトタイプを作成して顧客にテスト・評価をしてもらうといったことがフットワーク軽くできるようになります。結果として、机上の空論に時間を取られず、三現主義に基づいた情報収集や検証がフットワーク軽く実施できるようになり、新事業開発の取組みを加速し、その確度を高めることに繋がります。


②新事業開発のサポートスタッフを充実化させる


 新事業開発の取組みは過去に経験したことがないという人がほとんどです。そのため、新事業開発の取組みの中で、受講生は様々な壁にぶつかることになります。

 それらの壁を乗り越えるためには、受講生を伴走型でサポートするスタッフの存在が重要になります。例えば、顧客・有識者インタビューをする際に人脈がなくて困ってしまった際には、社外人脈のハブ役として人脈を紹介できるスタッフが壁を乗り越える手助けになります。また、顧客のニーズ情報や自社の強みの棚卸情報などのデータベースを整備し、活用方法を指導できるスタッフがいれば、新事業テーマを0から企画していく際の大きな力になります。他にも、受講生だけではテーマを大きく見直したり中止したりする判断は難しいですが、第三者的なスタッフがいると、その判断も必要に応じて促すことがしやすくなるといったメリットもあります。

 新事業開発の取組みがまだ小規模な会社は、一時的に社外コンサルタントのリソースをサポートスタッフとして活用することも有効な手段です。

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③トップがGO/STOPを判断する提案の場を設ける


 実践型研修における新事業開発の成果は、受講生の動機づけによっても大きく左右されます。動機づけとして有効な1つの手段が、研修の中間や最後に受講生が新事業テーマを提案し、それに対してトップがGO/STOPを判断する場を設けることです。実際の新事業を経営層に提案するとなれば、単に研修として新事業を検討する場合と比較して、取組みに対する本気度が大きく変わります。

 また、トップがGO/STOPを判断する場を設けることには副次的なメリットもあります。1つは、判断の場で指摘された点から、受講生がトップの事業に対する見方や考え方を学ぶという研修効果を見込めるという点です。他にも、トップが実践型研修に大きく関与することによって、受講生の上長にもトップの本気度が伝わり、受講生が職場で新事業の検討に業務工数を割きやすくなるというメリットもあります。



■終わりに


 今回のコラムでは、新事業開発の実践型研修を通じて、新事業創出という成果を実現するための工夫ついてご紹介しました。

 JMACでは個々の企業の課題やご要望に合わせて、技術を核にした新事業開発の実践型研修をカスタマイズして提供しております。関心のある方はお気軽にご相談をお寄せ下さい。

⇒※「MOT:技術を核にした事業化実践研修」の詳細はこちら

>> 小田原 英輝 のコラム(第5回)はこちらから

>> 技術を核にした新事業開発を担う人材育成を考える④(今井 崇人)はこちらから

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MOT:技術を核にした事業化実践研修のご紹介_オリジナル版(約14分)

MOT:技術を核にした事業化実践研修のご紹介_ダイジェスト版(2分30秒)
from 日本能率協会コンサルティング on Vimeo.

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
小田原 英輝(おだわら ひでき)

チーフ・コンサルタント 小田原さん

技術を核にした新事業/新商品創出に関するコンサルティングを中心に、製造業の幅広い業種のクライアントを支援している。 近年は、オープンイノベーションやビジネスモデル策定、特許戦略策定などにも注力しており、継続して成果を出し続けるための仕組みづくりまで支援するスタイルや現場伴走型の支援スタイルが特徴。

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