コラムCOLUMN

  1. TOP
  2. コラム
  3. 新入社員研修オンライン化の実践ポイント:第3回チーフ・コンサルタント  丹羽 哲夫 

新入社員研修オンライン化の実践ポイント:第3回

チーフ・コンサルタント  丹羽 哲夫 

■はじめに

 コロナ禍の長期化を踏まえ、新入社員研修のオンライン化を20年度限定的な取り組みではなく、定番化させる動きが出てきています。
 本コラムでは新入社員研修をオンラインで実施する際のポイントをシリーズで紹介していきます。
 前回は新入社員研修の目的ごとにポイントを紹介しました。今回は「アウトプットを設計する」というポイントについて弊社で実施している事例を交え紹介します。

■アウトプットを設定する狙い

 研修でアウトプットを設定する狙いは下記の3つです。

①知識やスキルの定着をはかる
②研修参加の真剣度を高める
③仕事への体力をつける
 
 オンラインでの研修はどうしても受け身になりがちです。
 研修中や研修後にアウトプットする機会を設定することで双方向性を演出する効果も期待できます。
 弊社が自社の新人研修として実施しているコンサルタント・アカデミーの中で仕掛けている内容を事例として狙いごとに紹介します。

■知識やスキルの定着を図るためのアウトプットの仕掛け


1. 繰り返し実践する場を設計する

 弊社の新人研修では板書(メモ作成)、ファシリテーション、ロジカルシンキングに関して研修を実施しています。これらの研修内でも演習は設定されていますが、それに加え座学後に行われる工場改善研修で「工場の方にインタビューを実施し、メモをまとめる」「現場の問題を論理的に整理する」など学んだ内容をフル活用しなければならない機会を設定しています。新人研修の座学で学ぶ内容は暗記すべきことではなく、"考え方や規則を事例に適用する力(知的技能)"が中心です。1~2日のプログラムで完結させるのではなく、学んだ考え方を適用する場をフォローとして随所に設定することがオンラインのプログラムでも大切です。アウトプットの場を効果的に活用するためにも、各プログラムを点で見るのではなく新人研修期間全体を線として捉えて設計することが重要です。

2. 振り返り、自分の言葉でまとめる

 講義を聞いたときは分かったつもりになっても、いざ自分でやってみる・説明してみるとなると中々できないものです。弊社の新人研修では「振り返り」を設定し、自分の言葉で咀嚼する場をプログラムとして組み込んでいます。

1)前日のまとめの実施

 輪番で前日に学んだ内容をパワーポイント1~2枚にまとめ、共有するプログラムです。改めて研修の要点を振り返り、自分の言葉で整理することによって理解を促します。また、職業柄PowerPointで資料を作成する機会が多いため、前日のまとめ資料を作成することで資料作成スキルを高めることも狙いとして置かれていました。

2)週報の作成

 弊社では一週間を振り返り、週報という形でアウトプットすることを一年間継続実施しています。この週報は一週間の活動を報告するものではなく、一週間の取組から気づきや教訓を抽出し、今後の取組につなげていくことを狙いとしています。そのため、業務報告的な項目ではなく"YWT"という気づきを成長につなげるためのフレームワークで振り返りを実施しています。(図 成長を促す振り返りのフレームワークYWT)

niwa3.png

 受講者が振り返るだけでなく、先輩役の担当者(3年目と中堅)からフィードバックを行い、知識や考え方の伝承の場としても機能させています。(余談ですがこの週報はオープンにされています。育成に熱心な様々な人がこっそり見ているため、フィードバック担当者も手を抜かず真剣な育成の場となっています)

■研修参加の真剣度を高めるアウトプットの仕掛け


1.研修で学んだことをどこでどう使うかを明示する

 研修の中で学んだ内容がどこで必要になるかを事前に明示すると同時に、実際に活用する場を新入社員研修の期間内に設定しています。活用の場面や事後課題などアウトプットのイメージを共有しておくことで受講者に「ちゃんと理解しておかないと後で(自分が)大変なことになる」という意識を持ってもらうようにしています。

2.指名して回答してもらう

 受講者にとって名指しで指名されるのが最も緊張感があるようです。時折、簡単な質問を投げかけることで研修全体の緊張感を維持することが出来ます。しかし、多用すると受講者が疲弊してしまうため注意が必要です。

■仕事への体力をつけるための仕掛け


研修後に取り組むこと(アウトプットすべきこと)を設定する

 取り組む内容は研修の事後課題に限らず、研修の振り返りなどでも構いません。研修後に何かを設定しておくことが大切です。
 オンラインの研修では研修が終わった瞬間にOFFモードになることができます。研修期間中は決まった時間帯だけ集中していればいいわけですが、配属後はそういうわけにはいきません。実際の業務が始まると終了時間がまちまちになったり、ミーティングが終わってから追加作業が発生したりします。弊社の新人からも「実際の業務はミーティングが終わってからが本番(資料作成などの準備)だった」「終わりかと思っても宿題作業でOFFにならず、息切れした」という研修と実務のリズムの違いに苦しむ声が出てきました。研修が終わり実務に移っても息切れしないリズムを作るため、定時前にゆとりをもって研修を終了し、その後定時まで取り組む課題を設定しておくと効果的です。

 今回は「アウトプットを設計する」というテーマで弊社の事例を紹介しました。
 次回は研修を実施時の脱落防止・復帰支援のポイントについて紹介します。

⇒ 「新入・若手社員研修」の詳細はこちら
⇒ 「ビジネス基礎トレーニング」の詳細はこちら

>> 丹羽 哲夫 のコラム 前号(第2回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
丹羽 哲夫(にわ てつお)

チーフ・コンサルタント 丹羽さん

分子生物学の世界から「研究・開発の生産性」に興味を持ち、JMACに入社

研究・開発部門の知的生産性向上やマネジメント革新に関するコンサルティングを中心に、 幅広い業種のクライアントを支援している。

ロジカルシンキング研修やプレゼンテーション研修、 プロジェクトマネジメント研修など様々なテーマで幅広い業種のクライアントを支援している。

一覧に戻る

企業のご担当者様へ

人材育成に関するご相談やお悩みなど、お気軽にお問い合わせください。

CONTACT お問い合わせ