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  3. 技術を核にした新事業開発を担う人材育成を考える第1回:継続的に新事業を生み出すカギは事業開発と人材育成の二刀流チーフ・コンサルタント  小田原 英輝 

技術を核にした新事業開発を担う人材育成を考える
第1回:継続的に新事業を生み出すカギは事業開発と人材育成の二刀流

チーフ・コンサルタント  小田原 英輝 

■はじめに

 リーマンショックからの回復以降、製造業の幅広い業界において、新たな柱となる事業の創出に向けて技術を核にした新事業開発に取り組み始める企業が増加しています。近年では、単発の新事業開発プロジェクトを実施して新事業創出を狙うだけではなく、下記のような課題に焦点が当てられるようになってきています。

 ・いかに継続的に新事業を生み出し続けるか
 ・事業化を牽引する人材をいかに選抜・育成するか

 日本能率協会コンサルティングでは、2000年代初頭から『MOT:技術を核にした事業化実践プログラム』という実践型の企業内研修プログラムを提供しており、様々な企業のこういった課題解決を長年に渡って支援してきています。
 
 本コラムではその長年の支援実績に基づいて、「技術を核にした新事業開発を牽引する人材育成」の考え方やポイントをシリーズで紹介していきます。

■新事業開発を進めると見られがちな課題

 筆者は製造業の幅広い業界において新事業開発のコンサルティング支援をしてきましたが、新事業開発のプロジェクトを何度か実施した経験を持つ会社では、下記のような課題がよく見られます。

①予算の引締めやトップの交代が発生すると、新事業開発の取り組みがすぐにストップしてしまう
②既存事業よりも不確実性の高い取り組みが前提にもかかわらず、単発のプロジェクトで目に見える成果が出ないことがあると、取り組みがストップしてしまう
③新事業開発に適した人材が社内に少なく、複数のテーマを継続して生み出し、育てていくことが難しい
④技術部門などの一部門だけではなく、部門横断で横串チームを編成することが有効だが、各部門長の理解が深くなければ人材を継続的に投入してもらえない

 結果として、新事業開発が単発の取り組みとなってしまい、継続的に新事業を創出していくことができないという状況に陥ってしまっていることが多いです。

■事業開発と人材育成の二刀流で継続的に新事業を生み出す

 こういった課題を解決して継続的に新事業を生み出していくために有効なのが、“事業開発”の真剣勝負に取り組む中で同時に “事業化人材育成”を狙う、実践型研修プログラムの実施です。
 事業開発に人材育成という意義を加えるよって、新事業開発に継続的に人材や予算を投入しやすくなると同時に、このプログラムの中で事業開発に強い熱意とスキルを併せ持つ人材を育成・選抜することができます。

 次に、"事業開発"と"人材育成"を二刀流で同時実践することによるメリットを具体的に説明していきたいと思います。
 まず、通常の新事業開発プロジェクトと比較すると、人材育成の意義や成果がプラスされることになります。それによって、次のようなメリットが生まれます。

  ・逆境の時期(予算の引締め、成果が出ないetc)も取り組みを継続しやすい
  ・技術/営業など各部門から人材を投入してもらいやすくなり、継続的に部門横断の横串チームを編成できる


 また、各部門から次世代リーダ/マネジャー層が参加することになるため、次のようなメリットも生まれます。

  ・研修で活躍した人材の中から、事業開発を牽引する人材を選抜しやすくなる
  ・立場や年代が近く、利害関係もないメンバーが集まるため、自発性が高い全員リーダ型のフラットチームを形成しやすい

 これらのメリットにより、事業開発と人材育成を同時に狙う実践型研修は長年継続して実施する企業が多く、その中から新事業創出という成果も継続的に生まれる取組みとなっています。


■"事業開発"と"人材育成"の二刀流の実践イメージ


 製造業の企業の中で事業開発と人材育成を同時に狙う実践型研修を展開する際は、次世代リーダ/マネージャを対象に、約半年程度のプログラムを実施することが多いです。新事業に初めて挑戦する受講生も多いため、プログラムではMOT(Management of Technology)のカリキュラムをベースに、経営と技術の融合でイノベーションを起こすための実践的な知識とスキルを習得できるようにすることが重要です。
 また、真剣勝負で新事業開発の成果を狙うためには、経営層に提案する場を設けることで受講生の意欲を喚起したり、顧客インタビューなどのフィールドワークも重視するなどの工夫も必要になります。

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■終わりに


 今回のコラムでは、継続的に新事業を生み出していくためには事業開発と人材育成を同時に狙う実践型研修が有効であることと、その実践イメージについて紹介をしました。 次回以降のコラムでは、このような実践型研修で、技術を核にした新事業開発を牽引する人材育成を進める際の考え方やポイントをシリーズで紹介していきます。

「MOT:技術を核にした事業化実践研修」の詳細はこちら

小田原 英輝 のコラム 次号(第2回)はこちらから

コンサルタントプロフィール

チーフ・コンサルタント
小田原 英輝(おだわら ひでき)

チーフ・コンサルタント 小田原さん

技術を核にした新事業/新商品創出に関するコンサルティングを中心に、製造業の幅広い業種のクライアントを支援している。 近年は、オープンイノベーションやビジネスモデル策定、特許戦略策定などにも注力しており、継続して成果を出し続けるための仕組みづくりまで支援するスタイルや現場伴走型の支援スタイルが特徴。

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